環境の杜こうち

環境活動をネットワークし、高知らしい循環型社会を実現する
特定非営利活動法人 環境の杜こうち

Top > 第3回 こうちサステナ・カフェ

第3回 こうちサステナ・カフェ

テーマ:「柏島に魅せられて~お魚博士の里海トーク」

話題提供者:神田 優さん(NPO法人黒潮実感センター センター長)

こうちサステナ・カフェ(3)神田さん
 11月のサステナカフェは、NPO法人黒潮実感センターの神田優さんをお招きし、大月町柏島での環境保全活動のほか、ご自身の夢である「フィールドミュージアム構想」についてなど、持続可能な「里海」の実現に向けた取組のお話をいただきました。

 透明度20m以上の柏島の海は、温帯・亜熱帯産が混在する多様な生きものたちの宝庫です。周辺海域にはサンゴや藻場が広がり、魚類は新種・日本初記録種を含め1,150種以上が確認されていて、沖縄や小笠原諸島を上回り国内最多。国内屈指のダイビングポイントです。

こうちサステナ・カフェ(3)柏島の海
                                                                                                                                                                                                                                         
 神田さんは「柏島の最大の魅力は、海の豊かさが人の暮らしのすぐそばにあること」だと言います。黒潮実感センターは50年、100年先も「人と海とが共に豊かである」という、この概念を「里海」と捉え、共存のモデルをテーマとした「里海セミナー」や環境学習、エコツアーを通じて、子どもにも大人にもわかりやすく海の生態を伝える活動をしています。

 また、豊かな藻場の再生やアオリイカの人工産卵床のために、樹木を海中に沈める「海の中の森づくり」にも積極的に取り組んでいます。そして、サンゴや藻場のモニタリング、ダイビングと漁業が共存できるための調整、「柏島里海憲章」といった、自然と暮らしを守るルール作りのほか、南海トラフ巨大地震への備えをするなど、災害リスク管理にも力を入れています。

 神田さんの最終目標は、柏島をまるごとフィールドミュージアムにすること。訪れた人がありのままの自然の生態や環境について学び、森・川・海のつながりが体験できるような、野外型の自然博物館にしたいという夢をお持ちです。

 しかし、柏島に豊かな海や自然があるだけで良いというのではなく、それらを活用した人々の暮らしがないといけない。だからこそ、この暮らしを持続させるために、自然資源を使った経済がまわり、生活が成り立つしくみこそが大事だ。と、語ってくれました。名物の「きみちゃんのところてん」が大好きという神田さん。材料である天草がふたたび採れることを願っておられました。

 高知市生まれの神田さんが、柏島の魅力に惹かれて活動を始めたとき、地元の方々との軋轢など様々な苦労があったと思いますが、どのように乗り越えたのですか、と聞いたところ、解決のキーワードは「子ども」ということでした。柏島の未来、子どもたちのために一緒に活動しましょうという働きかけが、関係性を築くことに結びついたそうです。

 現在、海洋教育パイオニアスクールプログラムの出前授業のため、全国の学校を飛び回っている神田さん。柏島の豊かな自然を通じて、海のすばらしさや面白さ、また、その地域が持続可能であるための活動とは何かを伝えています。

(2022年11月5日)

こうちサステナ・カフェ(3)神田優さん

プロフィール:神田 優(かんだ まさる)
1966年高知市生まれ。東京大学大学院修了(農学博士)。高知大学客員准教授。神戸大学非常勤講師。1998年に柏島に移住し、2002年に黒潮実感センターを設立。現在に至る。

PAGE TOP