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第8回 こうちサステナ・カフェ

テーマ:「読もっか!行こっか!~新聞記者ですが、コスタリカに行ってきました~」

話題提供者:野村 圭さん(高知新聞社 記者)

 今回の「こうちサステナ・カフェ」は、JICA海外協力隊として中南米コスタリカに赴いた高知新聞記者の野村さんを話題提供者としてお迎えしました。協力隊への参加にあたっては、書類と面接の審査、70日の訓練等があったそうですが、特別な資格は必要なく、新聞記者としての経験が現地の広報活動に活かせられるということで採用されたそうです。

 コスタリカは1949年に平和憲法を制定しました。「国軍の廃止(第12条)」を掲げ、中立的立場を守っており、1986年にはノーベル平和賞を受賞しています。
 
 標高200mのコスタリカの首都サンホセには、約500万人が暮らしています。中心部は近代的で、山があり、高層ではありませんがビルも点在し、コストコ等のアメリカ資本のスーパーもあるとのことでイメージしていたより都会の印象です。コーヒー豆の生産地としても有名ですが、ブランドや品質を守るため、法律で栽培してよいのはアラビカ種に限られているそうです。

 また、国土の26%が自然保護区というコスタリカは生物多様性の宝庫です。モルフォ蝶やヘラクレスオオカブト、透明の翅を持ったトンボマダラ蝶などの美しい昆虫を見ることができます。特に、鮮やかな色彩のカエルは野村さんのお気に入りだそうです。

 その他、教育や環境に対する取り組みも進んでいます。教育費や小学校給食は完全無料化されており、給食は休みの日でも提供されます。学生のボランティア活動は義務だそうで、国民の識字率は90%以上ということからも、教育水準の高さがうかがえます。
 
 環境への取り組みは2007年に温室効果ガス排出ゼロを宣言。自然エネルギーを利用する政策はほぼ達成し、2030年には100%を目指しているそうです。ごみの分別は箱の色別に制定されて誰にでも分かりやすい仕組み。プラスチックについては、国立公園への持ち込みが禁止されており、徹底しているとのこと。

 「今日できなければ明日しよう」「天気が悪くても午後には晴れるよ」・・・「神が望むのなら」の言葉に代表されるように、コスタリカ時間と言われるゆったりした過ごし方や人々の気質にすっかり魅了されたという野村さん。美味しいコーヒーを味わいながら、あっという間の時間でした。聞いている私たちもコスタリカのやさしい風に吹かれたような気がしました。

(2024年1月20日)
第8回サステナカフェ_野村さん

プロフィール 野村 圭 (のむら けい)
高知新聞社の「読もっかNIE※編集部」で、取材・執筆のほか、学校でのワークショップなど幅広い情報発信をしている。JICA海外協力隊として中南米コスタリカに赴き、2023年4月に帰国。香美市在住。
※NIE:Newspaper In Education 新聞を教材とした教育活動。情報が多様化している現代社会において、正しい情報を読み解き、社会課題の発見と解決に向けた力を育む。

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