第9回 こうちサステナ・カフェ
テーマ:高知でできる賢い省エネ・エコライフ
話題提供者:大庭 みゆきさん
環境省や経済産業省のホームページで公開されている「日本のエネルギー消費」資料によると、近年の世帯数の増加にもかかわらず、家庭部門のエネルギー消費が減少している理由は、4人世帯が標準だった過去の統計基準に対し、1人または2人の世帯が増加しているためだそうです。在宅時間が長い世帯では、電力消費が増える傾向があり、男性は家にいる時間が長く、テレビやインターネットの利用が多いため電力消費が高い一方で、女性は外出が多く、消費が低くなる傾向があるそうです。
暖房器具について、全国的にファンヒーターからエアコンへの移行が進んでいる中、高知県では石油ファンヒーターが好まれているようです。理由としては、電気代より灯油代が安く、体感温度が高いためです。灯油をつかう器具は、燃焼時に水蒸気を出すため、エアコンよりも乾燥しにくいという利点もあります。また、冬でも快適に過ごせるということで、加湿機能を持つエアコンがありますが、これは内部ヒーティングにより蒸気を出すしくみだそうです。しかし、この機能を使うと消費電力が大幅にあがり、省エネをうたう最新の家電であっても、実は使い方次第ということで、これは大きな気づきでした。
他にも、冷蔵庫はおよそ15年で寿命を迎えるため計画的に買い替えること、窓の断熱対策は洗面所や脱衣所がおすすめであること、カーテンは床に着く長さが効果的であることなど、身近な省エネにつながる具体例が示されました。
最後に、戸建て住宅と集合住宅では消費電力量に差があるという点を理解しておくことが重要であり、そのうえでの省エネの工夫が効果的とのお話がありました。「高知県内で独自のデータをとってみるのもよいですね」と、今後の事業や活動に活かせそうなアドバイスもいただき、有意義な時間を過ごすことができました。
(2025年1月25日)

プロフィール:大庭 みゆき(おおば みゆき)
九州大学工学府大学院博士課程修了。九州大学人間環境学府修了(人間環境学修士)。専門は伝熱工学、環境教育。(財)省エネルギーセンター勤務を経て、前(株)環境エネルギー総合研究所を設立。エネルギーや環境問題を生活者の視点で捉えることをモットーに、省エネとライフスタイルの関わり、学校の環境学習に関するアドバイスを行うなど、多方面で活躍している。
