IPCCとは?

ニュースでよく聞くIPCC(アイピーシーシー)って何ですか?

IPCCとは、「国連気候変動に関する政府間パネル(Intergovermental Panel on Climate Change)」の略。人間の活動によって起こりうる気候変化、環境への影響、そして適応、緩和する方法に関して科学的、技術的、社会経済学的見地から包括的評価を行うことを目的とした研究者の組織です。

世界の科学者の発表した論文や観測・予測データなどを、政府の推薦で選ばれた専門家組織がまとめ、各国政府を通じて5〜6年ごとにその間の気候変動に関する科学研究から得られた最新の知見を評価報告書(assessment report)にまとめて公表されています。

これらは科学的な分析だけでなく、社会経済への影響、気候変動を抑える対策なども盛り込まれるため、国際的に科学的根拠を与える重みのある文書であるため、報告書は国際交渉に強い影響力を持つものです。

最新の結論について

平成25年9月23日、スウェーデン・ストックホルムで開催された第1作業部会では、温暖化の原因が人間活動である可能性は「90%以上」とした2007年の第4次報告書から、6年ぶりの改定となる第5次報告書が公表されました。そこでの発表は、

・人間活動が20世紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な要因であった可能性が極めて高い(可能性95%以上)

•大気中の二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素は、過去80万年間で前例のない水準まで増加している、ということ。そして、現状では温暖化については「疑う余地がない」こと、1880〜2012年において、世界平均地上気温は0.85℃上昇するであろうということ、最近30年の各10年間の世界平均地上気温は、1850年以降のどの10年間よりも高温であること、そして現在、海洋は人為起源の二酸化炭素の約30%を吸収して、海洋酸性化を引き起こしている。ということなどが発表されました。

1992〜2005年において、3000m以深の海洋深層においても水温が上昇している可能性が高いということです。

そして、最新の未来の予測は。。。

■今世紀末までの世界平均地上気温の変化予測は0.3〜4.8℃である可能性が高い

■今世紀末までの世界平均海面水位の上昇予測は0.26〜0.82mである可能性が高い

■CO2の総累積排出量と世界平均地上気温の変化は比例関係にある。

■最終的に気温が何度上昇するかは累積排出量の幅に関係する。

■これからの数十年でより多くの排出を行えば、その後はより多くの排出削減が必要となる。というふうに非常に厳しい予測がなされています。
(参考:JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センター)


これら地球温暖化の現状やIPCCの発表について詳細は以下のHPでごらんください。【IPCC第5次評価報告書特設ページ】
 http://www.jccca.org/ipcc/about/index.html